疲れているのにぐっすり眠れない…
家族や友人と一緒に過ごせない…
人間は昼間に活動し、夜間に休む「昼行性」という性質をもっています。
しかし夜勤の仕事に就いていると、生活リズムは逆転。
体内時計にずれが生じることで、だるさを感じたり、うまく寝付けなかったりといった症状がみられ
「夜勤がつらい」と感じる人は少なくありません。
ここでは、夜勤経験者が「自分には夜勤が合わない」と感じた具体的な理由と、退職したい場合の対処法について解説していきます。
夜勤が合わないと感じる理由
夜勤手当が支給されるため、日勤よりも給料が良いといわれる夜勤業務。
それでも、業種・職種を問わず「夜勤がつらい」「夜勤を辞めたい」という声が多くきかれるのは何故でしょうか?
夜勤経験者が「自分には夜勤が合わない」と感じた具体的な理由を3つご紹介します。
昼間に十分な休息がとれない
昼間は屋外からの騒音や、同居する家族の生活音、カーテンの隙間から差し込む日光など、睡眠を妨げる要因となるものが多くあります。
このような状況下でも眠れる生活習慣を身に付けられないと、夜勤前後に十分な休息をとることができず、慢性的な睡眠不足になり疲労が蓄積してしまいます。
睡眠不足の状態が続くと注意散漫になり、仕事でミスや事故を起こす可能性が高くなります。
さらに、日常的に入眠障害や中途覚醒を起こす睡眠障害にまで発展し、専門医による治療が必要になる場合もあります。
睡眠不足になりやすい
屋外からの騒音や、同居する家族の生活音、カーテンの隙間から差し込む日光など、昼間は夜間に比べて、睡眠を妨げる要因となるものが多くあります。
元々、光や物音に敏感な人は夜勤前後に十分な休息をとることができず、慢性的な睡眠不足になりやすい傾向にあります。
睡眠不足の状態が続くと集中力や注意力が低下し、仕事でミスや事故を引き起こすリスクも。
さらに、「なかなか寝付けない」「何度も目が覚めてしまう」などといった睡眠障害を発症し、専門医による治療が必要になる場合もあります。
日勤に比べて業務量が多い
夜勤は日勤に比べてスタッフの数が少ないのが一般的です。
そのため、一人あたりの業務量が増えることで身体的負担が大きくなり、「つらい」と感じることも。
さらに、夜勤帯には管理職などの責任者が不在であることが多く、トラブルが発生した場合には夜勤スタッフのみで対応にあたる必要があります。
日勤に比べて緊張感や責任感を重く感じる機会も多く、「辞めたい」と考え始める人もいます。
家族や友人と休みが合わない
日勤の仕事をしている家族や友人とは、すれ違いの生活になってしまいます。
仕事終わりの食事や飲み会に参加できないだけでなく、朝早くに出かけることも難しいことから、旅行の予定も立てづらくなります。
一緒に過ごせる時間が限られるため孤独感を感じやすく、また、コミュニケーション不足から関係が悪化してしまう場合も。
仕事よりも私生活を重視する人には、夜勤は不向きであるといえるでしょう。
夜勤が合わないと感じながら働き続けるリスク
生活リズムが乱れることで疲労が溜まりやすかったり、プライベートの予定を立てづらかったりと、メリットよりもデメリットが多くある夜勤。
「自分には夜勤が合わない」と感じながらも無理をして続けていると、心身を病んでしまうリスクがあります。
体をこわす
睡眠の質の低下が原因で慢性的な睡眠不足になってしまうと、免疫力が落ちて体調を崩しやすくなります。
また、夜勤前後の食事を手軽に済ませるために、カップ麺やコンビニ弁当を選ぶ人も。
このような食生活を続けていると、太りやすいだけでなく、生活習慣病を引き起こす危険があります。
さらに、夜勤の仕事をしている人は、心臓や血管の病気を発症するリスクが高くなるともいわれています。
精神を病む
職場での人間関係トラブルが原因で、精神を病んでしまう人は少なくありません。
特に夜勤の場合、日勤に比べて勤務人数が少なく、苦手なスタッフとの関わりを避けることは難しくなります。
また、トラブルが起きた場合には、限られた人数で対応にあたる必要があり、一人ひとりが背負う責任も重くなります。
病院や介護施設など、命を預かる現場では特に精神的負担が大きくなります。
家族や友人とのすれ違い
日勤の仕事に就いている家族や友人とは、一緒に過ごす時間が限られることですれ違いが生じ、関係が悪化してしまうこともあります。
なかでも子育て世帯では、子供と関わる時間が制限されることで、子供の成長を見逃してしまったり、夫婦の関係にひびが入ってしまったりといったリスクがあります。
すると、仕事に対するモチベーションが下がるだけでなく、集中力が低下し仕事でミスや事故を起こす危険も。
プライベートと仕事、両方を充実させるためには、夜勤の仕事から離れた方が良い場合もあります。
夜勤が合わず退職したい場合の対処法
では、「自分には夜勤が合わない」「退職したい」と思った場合には、具体的にどう対処したら良いのでしょうか?
ここでは3つご紹介します。
夜勤がない部署への異動
給与や福利厚生などの待遇に不満がない場合は、夜勤のない部署への異動を上司に相談してみましょう。
夜勤から離れられるだけでなく、仕事の幅が広がることで将来のキャリアアップにも繋がります。
異動願いが通りにくい職場であれば、心療内科を受診して診断書を書いてもらうという方法も。
夜勤が原因で眠れない状況が続いている、食欲が低下している、など実際に症状が出ている場合にはすぐに診断書をもらうことができます。
異動願いと一緒に、「夜勤免除の必要性」が記載された診断書を提出すれば、退職せずに夜勤から離れられるでしょう。
キャリアアップを目指す
資格取得などでキャリアアップした場合、管理職への昇進などで夜勤から離れられる可能性があります。
もしくは、専門の資格を取ることで部署異動が叶うことも。
最近ではオンライン講座も増え、スマホが一台あれば、日々の学習から資格取得まで完結するものも多くあります。
仕事の隙間時間や休日を有効活用し、本当にやりたい仕事に就くために行動を起こしてみましょう。
職場内でのキャリアアップだけでなく、転職する際の強みにもなります。
転職する
現在の職場で夜勤の仕事を辞められない場合には、無理して続けずに、思い切って転職を検討しましょう。
体をこわしたり、うつ病などの精神疾患を患ったりしてしまうと、今後他の職場でも働くことができなくなってしまいます。
心身を病んでしまう前に、夜勤のない仕事を探してみましょう。
夜勤手当が支給されないため給料が下がるリスクはありますが、身体的・精神的・社会的に満たされた生活が手に入ります。
夜勤の仕事を続けるメリット・デメリットを比較し、自分に合った働き方を見つけましょう。