「取引先との交渉でストレスがたまって、つらい」
「休む暇もなくて、もう疲れた…」
憧れの商社に入社できたものの、日々の仕事に嫌気が差してきた人は多いはずです。実際、商社の仕事は辞めたいと思えるほど激務な点が見受けられます。
つらい気持ちを抑えたまま働き続けると精神的に疲弊して、うつ病を始めとした病気にかかってしまうかもしれません。
この記事では、商社が激務である理由と商社勤務が向いていない人の特徴を解説します。商社での仕事を続けようか迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
商社が激務である理由
商社が激務と言われている理由を4つ紹介します。
板挟みになる
商社はメーカーと顧客を仲介する立場のため、双方の要求を受けて板挟みの状態になりがちです。
顧客は自社のニーズを満たす商品をできる限り安く仕入れたいと考えています。一方、メーカーは自社商品をできる限り高い価格で売り、利益を得たいと考えています。
商社は双方の要求を聞いて、お互いが納得する妥協案を提示しなくてはいけません。
また、仲介を通じて自社の利益を上げる必要があるため、社内からも要求を提示されます。
メーカーと顧客との間で話がまとまったとしても、ダメ出しをもらうことがあります。その場合、最初から交渉し直さなければいけません。
商社での仕事はメーカーと顧客、社内との板挟みにも苦しむことになります。
接待が多い
商社で働く場合、接待する頻度は他の職種より多くなりがちです。
円滑な取引を進めるうえで、メーカーや顧客との良好な関係の維持・形成は必須なため、接待は重要な仕事の一つとされています。
取引先の食事の好みやアレルギーの有無などの情報を集めたうえでお店の選定をします。
とくに大切な取引先の場合、細心の注意を払い、お店を選ばなくてはいけません。また、お店までの誘導や帰りのタクシー手配にも考えを巡らせる必要もあります。
接待中は礼儀作法や立ち居振る舞いに気を付けなければならないため、緊張感は社内の同僚との飲み会とは比べものになりません。
出張が多い
商社の仕事は取引先との打ち合わせ、現地視察が中心となるため、出張が多くなりがちです。
1日に複数の取引先と打ち合わせをする場合、落ち着く暇もありません。取引先が遠方にある場合は移動時間が長いため、朝早く家を出て、夜遅くに帰宅することもあるでしょう。
担当する取引先や勤務している会社によっては、海外企業との取引を任されることもあります。海外出張する際は、土日を移動時間にあてることが多く、休日をのんびり過ごせないことも多いです。
場合によっては数週間から数か月の間、海外に滞在するため、友人と遊んだり、家族との時間を過ごしたりする時間が取れなくなります。
情報収集が大変
取引先との商談を成立させるために、仕事の一環として情報収集も行います。
商品を売り込むためには、それぞれの商品の特徴や良さを理解して顧客に説明しなくてはいけません。自社製品のみを扱うメーカーと違い、商社では多種多様な商品を扱っているため、必要な商品知識が多くなります。
また、顧客のニーズを満たす適切な商品を提案するためには、顧客が抱えている課題や業界全体のトレンドを押さえることも重要です。
ネットや新聞などで業界情報を集めたり、顧客からヒアリングしたりすることで、顧客が認識できていないニーズや課題を見出すことが求められます。
商社が激務でうつになる?向いていない人の特徴
商社の仕事に限った話ではありませんが、どの仕事も向いていない人はいます。ここでは商社勤務が向いていない人の特徴を紹介します。
当てはまる部分があれば、商社の仕事は辞めたほうがいいかもしれません。
コミュニケーションが苦手な人
コミュニケーションが苦手な人にとっては、商社の仕事はつらいと感じるでしょう。
価格交渉や納期交渉などの場面では、メーカーと顧客双方の意見を取り入れると同時に社内の意見にも配慮してバランスをとることが求められます。
また、取引先との接待では、相手が心を許してくれるように会話をスムーズに回すトーク力も必要です。
人付き合いが好きではない人や交渉が得意ではない人にとって、商社の仕事はストレスを抱えやすいでしょう。
ワークライフバランスを重視したい人
ワークライフバランスを重視したいなら、商社勤務はおすすめできません。
取引先との商談のほかに、商品知識や業界情報の収集、取引先や社内へのプレゼンの資料作成など、やるべき仕事は多くあります。
場合によっては、夜遅くまで残業、休日出勤が生じるかもしれません。
また、担当企業によっては長期にわたる海外出張もあるため、家を空ける期間が長くなります。
友人や家族と過ごす時間や趣味を楽しむ時間も大切にしたいなら、仕事メインの生活になる商社勤務は向いていないと言えます。